先日、テレビ朝日が60周年記念で年代ごとの視聴率ベスト60を放送していました。
その中で、1990年代のベスト60は結構駆け足で済ませていました。
・・・なぜか?
理由は簡単、テレ朝の一番の暗黒期だから。
スペシャルドラマやスポーツ中継はいいけど
レギュラー番組が他局に比べて視聴率が取れない時期でした。
その中でも、90年代のテレ朝を象徴する番組が
平日正午枠で1994年10月から半年放送された「まっ昼ま王!!」です。
基本の話はWikiで調べてもらうとして、
視聴率の面でどれだけ酷かったのか振り返りましょう。
10月3日の初回1.9%スタートという、ご祝儀もへったくれもない視聴率で船出。
以降、12月28日まで0.6から4.1%の間をウロウロします。
この3ヶ月の間で4%台が2回ありますが、ともに祝日。
とはいえこの3ヶ月の間には4回の祝日があったはずなんですけどねぇ。
そして圧巻なのが木曜日に5週連続0%台(11/24、12/1、8、15、22)。
木曜MC、当時の三枝さんの心中お察しします。
「濡れてにアワー!!」、個人的には好きだったんだけどなあ。
12月29日(木)は2時間SP。芸能人対抗で料理対決と木曜企画のクイズで対決。
この回が初の5%超え(5.3%)となりました。
ちなみにこの日のいいともの視聴率は20.1%、勝負相手ではないですね。
3ヶ月の平均は1.7%。テレビを付けている人の内「まっ昼ま王!!」を
見ている人の割合を示す「占拠率」で換算すると4%。
金曜レギュラーの浅草キッドが後年「この番組で初めて着地(=0%)した毎分視聴率を見た」
と言っていましたが、この期間の金曜放送(12回分)のうち、最高が2.4%で
残りは全て2%取れておらず、毎回着地してもおかしくないということが判明しました。
平均1.7%がどれだけ酷いのか、他局の同期間平均と比較しましょう。
NHK(ニュース、ひるどき日本列島、朝ドラ再放送)8.2%
日本テレビ「午後は○○おもいッきりテレビ」10.2%
TBS「ウォッチャー」5.0%
フジテレビ「笑っていいとも!」11.7%
テレビ東京「シネマタウン」2.6%
日テレやフジ、NHKはともかく、TBSにほぼトリプル、テレ東にも敗北。
振り返るとNHK教育しかいない、が常に現実でした。
初期の「バイキング」も1%台がありましたが、0%台はありません。
そんな「まっ昼ま王!!」、年が明けると全曜日をリニューアル、出演者も一部変更。
健康情報やグルメランキングなどなりふり構わなくなります。
1月17日18日(阪神淡路大震災)や3月19日、21日(オウム)で休みがありますが、
特筆すべきは1月4日の番組史上最高視聴率で唯一の2桁の2時間SP(10.4%)
内容は「新春特別企画、みんなで歌おう懐かしのヒット歌謡曲ベスト100」。
17組のゲストを迎えてヒット曲を歌い、視聴者プレゼントもあった模様。
懐メロという金脈を頼りに、以降水曜日は懐メロ番組になりました。
ちなみにこの日はいいともとごきげんようが休み(大相撲VSプロ野球歌合戦)でした。
また、2月6日(月)は金曜MCの今田耕司さんがいいとものテレフォンショッキングに出演。
曜日が違えど真裏に出るのは当時のテレビ界の考えからすると掟破りに近いですが、
既にテレ朝も事務所も番組自体に見切りをつけていたのでしょう。
前週金曜のテレフォンゲストのスチャダラパーが「お友達は裏の『ま王』に出てる・・・」と
暗に番組紹介をしてくれるサービスの甲斐なく視聴率はビクともせず。
電話自体は今田さんのマネージャーさんが代理されていたと覚えています。
リニューアル後は0%台は1度のみですが、祝日でも4%を取ることはなくなりました。
後半3ヶ月の占拠率は5%。いいともの占拠率は30%。惨敗です。
これに懲りたテレ朝は、情報バラエティの「キンキンのとことん好奇心」を経て
現在も続く「ワイド!スクランブル」に至ります。
酷い内容と低視聴率の番組というレッテルだけ一人歩きしていたこの番組ですが、
ゴールデンで一度も10%を超えずに打ち切りになる番組が掃いて捨てるほどある中で、
まぐれだとしても、ラッキーパンチだとしても、
お昼の番組なのに10%を超えたことがあるという事実。
(その代わり半年で11度も0%台があったのも事実)
まとめるにつれて、「まっ昼ま王!!」を少し見直しました。